台東の山奥深くにブヌン(布農)族が守り続ける『
鸞山森林文化博物館』
があります。名前は博物館ですが、建物はありません。現館長の阿力曼(アリマン)さんが
この土地がリゾート会社に買い占められる計画があることを知り、私財を投げ出し借金をして
ブヌン族一帯の土地を買い上げ、現在は「森の生態を守り、部族の伝統を伝承する」目的で
博物館として運営しています。
博物館を訪れるのには必ず事前予約が必要です。
しかもこちら(sazasa2003@yahoo.com.tw)からのメールのみにての受付となります。
今回17号一行が参加したのは9:00~14:00の一日体験食事つきコースです。
朝9時に集合場所の鸞山派出所にこの日のツアーに参加する人が全員集まります。
輪の真ん中でみんなに説明しているのが、
館長の阿力曼(アリマン)さんです。
ここから森林の博物館までは大型車は入れない山の中な為、
ここまでバスで来た人たちにはバンがお迎えに、自家用車の人たちにはバンが先導して
全員で山の中に入ります。

約10分ほど山の中に入り、森林博物館に到着すると先ず、
「小米酒」のウェルカムドリンクが振る舞われ、竹の串刺しにされた猪の肉(生肉)を渡されます。
それを火にかざし焼けるのを待ちながら小米酒をいただきます。

大森林を散策する前に、持参した米酒とビンロウをお供えし『
山の神様に挨拶』する儀式
が行われます。メールで予約を申し込んだ際に、当日は1グループにつき1セット、
必ず
米酒とビンロウを用意するするようにとのリクエストが届きます。
それをここでお供えし、「これから森林にお邪魔いたします」とご挨拶します。

さていよいよアリマンさんに先導されてブヌン族の森の中へと入って行きます。
険しい山の中をガジュマロの木に掛けられたロープのハシゴをかなりの高さまで登ります。

またこんな狭い岩場の合間をくぐり抜けて前に前に進みます。
こんな狭い隙間ぜ~ったい無理!と思ってもみんなすり抜けられる不思議。

洞窟のを進み、急な斜面もロープにつかまりながら下ります。

約2時間この険しい大自然の中をアリマンさんに先導してもらい、ロープにつかまりながら
なんとか探検しましたが、ブヌン族の祖先はこの森林の中をロープも無く裸足で狩りをし
走り回っていたというのですから驚きです。
ブヌン族が守る大自然を満喫した後は、アリマンさんの奥さんはじめブヌン族の人たちによって
朝から用意されていたご馳走をいただきます。
キッチンにはもちろんガスはありません。かまどに火を起こして調理します。

美味しそうに肉が焼かれるグリルとかまどで煮込まれるスープ

アリマンさん曰く、ブヌン族では「レディーファースト」なんだそう。
なのでこの体験でも、キッチンから中央のテーブルに料理を運ぶのは全部男性の仕事。
「女性はただ微笑みながら座っていて下さい(笑)」と言われました。

ご飯も一人分ずつ男性がよそってくれます。
女性はそのお椀を持って中央のテーブルへ行き好みのおかずをピックアップ。

大自然の中を駆け回り普段の何倍もの運動をしたせいか、
ここでいただいたランチは忘れれないくらい美味しい味でした。
私たちは事前に用意が無かったので、恥ずかしながら食事の際にお椀と割り箸をお借りしましたが
予約時の返信メールにはエコの為、マイ碗とマイ箸を持参する旨のメッセージが届きます。
ブヌン族の人たちはこの森を「森林銀行」と呼んでおり自分たちの貯金だと誇り大切にしています。
<基本データ>住所(集合場所 鸞山派出所):台東縣延平鄉鸞山村鸞山路21號
TEL:0911154806
予約メール(事前予約必須 中国語or英語):sazasa2003@yahoo.com.tw
一日体験コース(食事つき):9:00~14:00 600元/一人
<17号のちょっとひと言>普段台北で生活する17号にとっては、まるで違う国に来たかのような体験でした。
まだまだ知らない奥深い「台湾」がたくさんあるのだとこの体験で改めて実感。
お薦め度★★★★★(原住民文化に興味のある方は是非一度訪れて見て!)
大自然度★★★★★(17号の人生の中で間違いなく自然度NO.1の体験でした。)
(担当特派員:TOP17号)
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