古い雰囲気の安宿で撮影したい!というリクエストは特にグラビア撮影や、台湾をわざわざ写真集の撮影場所として選んだ方からは間違いなく出るリクエスト。そんな時にどこで撮影すればいいのか?って考えると思いつくのは、街中にある行ったこともないようなオンボロラブホテルぐらいしかないだろって普通は考える。でもどうやってそのオンボロラブホテルを探せばいいのか?って問題に直面する。ボロいラブホにサイトなんかあるわけないから知らなきゃ紹介も出来ない訳ですよ。でもご安心ください。そのニーズにピッタリな素敵な撮影場所があるんです!

見た目からしてGOODな建物。そしてこの営業カテゴリーホテルに入る「獅城大旅館」は、古い問屋が軒を連ねる後火車站エリアにあります。街並みもディープ台湾。しかしですね、この宿はマジで台北駅からかなり近い徒歩圏内にあるんですよ!台北駅から歩いて行けるところでもいまだにこんな街並みが残っているのも台北の素敵?なところ。

この看板があるとこにエレベーターがあります。乗って大丈夫??って気に誰もが襲われると思いますが乗るしかないんです。乗ってください。ここ夜到着したらめっちゃ恐怖だろうなぁ。なんか悪い事されそうな、よからぬことがありそうなそんな気にならざる負えないようなビジュアル。

そんな怖さを明るくしてくれるようなデザインのエレベーター。

ここが3Fのフロント。一応ホテルですからチェックインは必要です。お部屋に冷蔵庫はありませんから共用冷蔵庫を使ってください。開けてみたらいろんなもので一杯でした。多分客のものではないと思われる。やけに野菜みたいなものが多い。調理できませんから(笑)。

このながーい廊下沿いに意外と部屋数が多いのだ。この廊下もいい感じでしょ?ここでも撮影したいって話になる事間違いなし。このライトの明るさ、色、そしてこの廊下のさびれ具合が良すぎ。

建物と建物を繋ぐ部分にどう考えても後から付け足したとしか思えないテッパン素材風な廊下あり。常に通気口的な部分が空きっぱなしで、ここは大変暑いです(冬は寒いんでしょうね)。外気がそのまま入り込んできますので。

我々は窓付き、一番広い部屋1泊1280元の部屋で撮影。ここで四人部屋ですよ。ここで日本人とタイワンニンの概念の違いをご紹介。タイワンニンの皆さんは多分小さいころからツインベッドルームって言うのをほぼ知らないで大人になっていると思われる。男同士であろうが、女同士であろうが二人で一部屋使う時にこのキングサイズのベッドに一緒に寝るって当たり前的な感じで泊まる人が多い。すごいフレンドリーっていうか同性同士でなぜこれが普通なのか?ようわからん。ってことでこれを普通に四人部屋として販売されています。

はい。ここがバスルームです。バスタブがあるだけましだと思いましょう。アメニティなんてものはゼロに近い(歯ブラシは見た)。素敵なボロボロ感がたっぷり出たバスルームです。

ボロボロ感はお部屋だけではございません。こちらの宿のすべての場所が素敵な撮影場所なのです。階段もしかり。どうですかこの生活感のある廃墟感!

そして階段の横には間違いなく誰かが済んでいると思われる悪い奴のアジト風隠れ家が登場。なんとキッチンつきでした。いいの?こういうところに住んで。っていうか、この階段をちょこっと上がるだけでお金を払ってここに宿泊している人の部屋の前に行けちゃうセキュリティーに脱帽。ちょっと怖すぎでしょ。

いくつかの部屋が空けっぱになっていたので覗く。あの椅子がなんとも言えず昭和初期か大正の香りを漂わせる。絶対に昔あったよね、こういう部屋。あんな表面がツルツルした派手すぎるデザインの椅子も見たことあるよね。そんな懐かしモノがたっぷり残っている場所なのです。再利用御殿?
窓から見える景色も強烈!更にいい味を出してくれているのが絶対に役に立たないと思う台風対策のセロテープXバリヤ!これで窓が割れないとでも思っているのだろうか?そしてそのXがそのままになった窓が更に場末感を出してくれている。

ただでさえ苦しさを感じずにはいられないお部屋で、更に窓が小さくなりダーク感がプラスされるととても怖くなる。

全部で階段が3か所ぐらいあるんだけど、どこもこんな感じ。エレクトリックショックなシチュエーションでの撮影にお薦めなセットです(っていうか普通に使っているものですが笑)。

こちらはなんだか明るいですがその分床の赤が強烈に見えます。こういう色彩感覚がレトロなんだよね。田舎のスナック感がたっぷり出てる。

そして廊下の一番端っこには窓があって看板と街並み的な部分をバックに撮影可能。下の商店街に提灯なんかが飾られる旧正月近くなんて更にいい感じになるだろうね。
以上、素敵なハウススタジオではなく、正式な職業ホテル的な場所のご紹介でした(笑)
<基本データ>住所:台北市華陰街179號 3、5F
(台鉄&MRT台北駅から歩いて7分ぐらい)
TEL:02-2555-1229 or 3417
チェックイン12:00/チェックアウト12:00
<コーディネーターのちょっとひと言>ここは我々にとってはハウススタジオです(笑)。通常はホテルとして営業しているようですが。値段は激安。先ほど紹介した四人部屋1280元(日本円約3456円)ですからね。これひとりで割ったら一泊約860円なり。こんなんある??みたいな。部屋数もかなりあるんですよ。で、一つ一つが多分バラバラに増築されたりとかしているはずだから作りが違ったりしてそれぞれの味があって面白い。もちろん撮影に対してね。通常はホテルでグラビア撮影などは結構ハードルが高いのですが、こちらのスタジオ、いやホテルはなんと撮影協力費ってものをしっかり設定しているではないですか!こんなホテル(失礼!)なのに立派です。1時間2000NTDという宿泊料金に比べたらミラクルな高額ですが、ビジネスとしてはあり。こういう設定をしているところって実は台湾にはほとんどない。だから1号はあっぱれと思いました。こういうスッキリビジネスが可能な場所だって事でこれからもお金を払ってしっかり撮影させて頂きますのでよろしくどーぞ。ちなみに撮影する部屋代は泊まらなくても1日分払います。更に撮影する部屋を追加した場合、その部屋の1日分の費用を請求されますが、さすがに30分ぐらいで済む撮影にそれはないだろうという事で、1時間300元という根拠のない料金設定で交渉しOKをもらいましたが(笑)。こういうビジネスも出来るんだぞっていう新しい方法を提案してくれているので、こんな雰囲気の場所をお持ちの方達はご検討をっていう誰に対して語りかけているのかよくわからない状態でまた終了。
お薦め度★★★★★(私はホテルとして紹介しているのではありませんからね。撮影場所としては最高でしょ)
頑丈度★(私にはここが何かあった時に安全な場所とはどうしても思えません。もし文句があるなら耐震構造チェックをした証明をみせていただきたい。果たして震度いくつまで耐えられるのか?4は大丈夫でしょう。なぜならそれぐらいの震度の地震は発生しているから。5強は無理そうな予感)
(担当特派員:TOP1号)
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