台北市中心から気軽に遊びに行ける陽明山には、景色がよく素敵なレストランがたーくさんあります。今日ご紹介するのは陽明山の山中にひっそりとありながら、知る人ぞ知る、予約が超困難な大人レストランです!
MRT剣潭駅からタクシーで約20分。
くねくねの山道を上っていくと、「松園」を発見。
目印は、この住所の看板です。

実は、車道沿いに「食養山房」の看板はありません。「松園」の前で車を降りましょう。
レストランは「松園」の門をくぐった敷地内にあります。
タクシーに説明するときも、「松園」の名前と住所を伝えたほうがわかりやすいと思います。

門にはレストランのスタッフが立っていて、お客さんの予約名を確認し、席までの行き方を説明してくれます。
門をくぐり、敷地内の小道を100mほど歩くと、ひっそりとたたずむレストランの建物が見えてきます。

この道、昼間はきっと爽やかで気持ちいいと思いますが、夜は暗くてかなり怖い・・・
おまけにこの日は雨だったので、3号と5号の女子二人は、身を寄せ合って(笑)ちょっとした肝試しを体験しました。

建物は、広い敷地内に点々とあり、「離れ」のような雰囲気。
レストランというよりも、料亭と言ったほうがふさわしいような、しっとりした雰囲気です。


靴を脱いで建物に入ります。
床は畳、テーブルや室内の装飾も上品な和風で統一。

私たちの席にはススキが飾ってあり、すごく素敵です。
昼間晴れていれば、窓からは陽明山の人気スポット「天崗」が望めるそうです。


他のお客さんも静かに食事を楽しんでおり、大声で話すような人は誰もいません。
日本人や欧米人のお客さんもいて、私たちの両隣りの席は日本人でした。
お店には日本人スタッフがいるので、日本語でまとめてサービスできるように同じエリアにされたのかも知れませんね。
こちらの店は、決まったコースメニューが一種類のみ。
単品もありません。
コース内容は不定期で変わるようですが、そんなに頻繁には変わらないとのこと。
たまに市場で珍しい食材が手に入ると、臨時でメニューに加わるようですが、基本的には変わらないそうです。運が良ければ珍しいものが食べられます。
席に着くと、お茶が出てきました。

湯呑に中国茶の茶葉が直接入っていて、お湯を注いで飲むチャイニーズ・スタイル。
お湯の表面に浮かんでいる茶葉は、息でフーッとよけて飲みます。
(お湯を足すのはセルフサービスです)
一品目:自家製絞りたてジュース、パッションフルーツ入り
イチゴ+リンゴのジュースの上にパッションフルーツ。甘酸っぱい食前ジュースです。

二品目:手作り前菜の三種盛り合わせ
(左)揚げナス、揚げインゲン、日本産みょうが
(中)陽明山の水で作ったピーナッツ豆腐
(右)スモークサーモン、日本産イクラ、台湾産タケノコ

三品目:アンチョビおいなりさん、煎り大正エビを添えて
竜眼ともち米の炊き込みご飯が入ったおいなりさん。山芋や納豆風味のソースも入っていて、手が込んでいます。エビはシンプルに焼いてありおいしいです。

四品目:季節の果物酢
海鮮モノのあとは、生臭さを消すためのお口直しでお酢ドリンクが出ました。
これはバラの香りがするお酢。

このお酢、女性好みの味で、隣の席のOL風日本人のお客さんが瓶入りの物を購入してました。
五品目:ホタテの茶碗蒸し 山芋のすりおろしと山椒、花穂紫蘇をのせて
上品な茶碗蒸し。上にはとろみをつけたダシがかかっています。おいしいですが、茶碗蒸し用のスプーンがなく、レンゲで食べました。ホタテは丸ごとではなく、ほんのちょっと入っているだけですが、ホタテの味はすごく出ています。

六品目:お刺身とサラダの盛り合わせ ワサビ・ポン酢・ドレッシング添え

七品目:季節の果物酢
再び果物酢の登場。今度はラベンダー酢。マッタリとした気分が、酸っぱさで一気に目覚めます(笑)

八品目:カラスミ入り揚げ餅、薩摩芋添え
揚げ餅の中にカラスミのスライスが入っていて、いい味が出てます。こういうカラスミの食べ方もあるんですね!薩摩芋スライスも揚げてあり、ダシのソースでいただきます。どこまでも上品。

九品目:きのこチャーハン、イタリア産サラミ巻き
卵を使わないオリジナルチャーハン、エリンギと一緒にいただきます。
おにぎりのように丸めてあり、食べやすかったです。チャーハンとのことですが、炊き込みご飯のように、ご飯に味がよく染みてました。

十品目:蓮の花、鶏肉の土鍋スープ
蓮の実、レンコン、菱の実、蓮の花、キノコ、鶏肉が入っています。
この乾燥した蓮の花、飾りではなくスープに入れて一緒にいただきます。

スープに花を入れた瞬間、花弁がパーっと開いておもしろい!

キノコはシャキシャキで歯ごたえ良く、一方レンコンや蓮の実はじっくり煮込まれてあって、手が込んでいる事がよくわかります。スープの味は、台湾名物「ぶっとびスープ」に近い感じ。おいしいです。

ちなみに、この土鍋は二人用。人数が多くなると、鍋のサイズもどんどん大きくなります。
お一人様のお客さんだと、土鍋でスープが提供できず、見栄えがよろしくないため、基本的にお一人の予約は受けていないとのことです。こだわってますね~
十一品目:フルーツ盛り合わせ
いたって普通のカットフルーツですが、おいしいです。隅っこにあるドリンクは、自家製桑のリキュール。
またしてもマッタリしていた頭が、酸っぱさで目覚めます(笑)

十二品目:季節のデザート
タロイモのすり潰し、金箔とヨクイニン(=ハトムギ)添え
すり潰して団子にしたタロイモに、小豆のスープがかかったデザートです。白いツブツブがハトムギ。

十三品目:蓮の花のお茶
最後は蓮の花茶で〆。

こんなに豪華で、お値段一人1100元でした。
一つ一つすごく手が込んでいて、私の未熟な舌では味わい切れない部分もたくさんあったと思います。
そのくらい大満足。
さて気になった部分ですが、
1.建物が古いせいか暖房が十分ではなく、肌寒くて最後まで上着が脱げなかった。
2.今回案内された席は、畳張りのベンチ風イス。固くて長時間座るとお尻が痛い…。
3.今回案内された席は、トイレが外にあったので、雨の時はかなりめんどくさい(トイレは屋根付き、手洗い台が外。傘をさしながら手を洗うことに…)。
4、敷地内の小道は坂道や階段もあり、足の不自由な方は移動が大変
細かいことを言いましたが、ここは大人の心をくすぐる、いいレストランだと思います。
隠れ家的な雰囲気が、ちょっとドキドキ。
お店のスタッフも、みなさんまるでホテルマンのような身のこなし。気持ちよく楽しめます。
若い方やお子さんより、ぜひ人生経験を積んだ(?)オトナの方に行って頂きたいレストランです。
ただ残念なことに、この陽明山にある店舗は12月中旬で終了します。発見するのが一足遅かったようです。
このブログをご覧の方にも、是非行ってみてもらいたかったのに、残念!
でも大丈夫です!現在、汐止に新店舗をオープンする準備中だそうで、すでに部分的に引っ越しが始まっています。
汐止も、同じく自然がとても豊かなエリアだそうですよ。
機会があれば、特別な日に是非行ってみたいです。
<基本データ> 【陽明山店
(2009年12月中旬まで)】
住所 台北市士林区菁山路101巷160號
(MRT淡水線剣タン駅からタクシーで約30分)
TEL 02-2862-0078、0079
【汐止店(新店舗)】
住所 台北縣汐止市汐萬路三段350巷7號
(MRT内湖線東湖駅または南港展覧館駅よりタクシーで約35分)
TEL 02-2646-2266
営業時間 12:00~15:00、18:00~21:00
定休日 月曜日
HP http://www.shi-yang.com/ (日本語あり)
<コーディネーターのちょっとひと言>陽明山にあるレストランの一つとして、取材用に是非紹介したかったのですが・・・見つけるのが少し遅かったようで残念です。引っ越しのことは、取材の連絡をした時に教えてほしかったのに。。。
お店のスタッフによると、新店舗についてまだオーナーからコンセプト等の発表がないとのことですが、陽明山のこーんな素敵なお店を作ったオーナー、きっと汐止の新店舗はもっと素敵になるのでは?と期待が膨らみます。
お薦め度★★★(雰囲気バツグン!ですが、とにかく予約が取りにくい。前日の予約とかでは絶対間に合わないので、かなり早目(2週間~1カ月以上前)の予約をお勧めします。ちなみに、陽明山の店は、営業最終日まですでに予約でいっぱいだとか・・・)
通度★★★★★(表に看板がない、予約も取りにくい・・・。こんなお店を知っていたら、間違いなくあなたは台湾のレストラン通でしょう!)
(担当特派員:TOP3号)
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