台湾の朝食専門店、どこがお薦め?と聞かれても「わざわざ遠くへ行かなくたって、近所で良いじゃない」と内心思っています。でも駅からちょっと遠いこの「密吐 MeToo」は、ローカル色とおしゃれカフェ風が融合した二面性と穴場な感じが面白くて、紹介したくなりました。場所は落ち着いた住宅街が広がる民生社區。富錦街や人気のパイナップルケーキ店が点在し、散策も楽しいエリアです。とはいえ地下鉄駅からかなり歩くため、知名度があるわりには観光客の姿はそれほど多くありません。今回は、便利なバスのアクセスもあわせてご紹介。民生マダム気分を楽しめる穴場の朝食店に出かけてみましょう!
この店の正面、オープンキッチンを兼ねた受け付けは、台湾によくあるローカルな朝食専門店の風情。こちらでテイクアウトするのは、男性陣が多いようです。ジャージ姿の近所のお兄さんや、常連風の運転手さんたちが次々に朝食を買いに訪れていました。お隣の白い壁、プランターが並んだ可愛いお店は、朝から開いているカフェかしら…と思ったら、こちらが「蜜吐」のイートインコーナーでした。
イートインはキッチンの裏側とつながっています。撫遠街に面したガラス張りのカフェ風、こちらは女性の利用が多いみたい。富裕層が多く暮らすエリアなので、「民生マダム」がローカルな味を落ち着いたおしゃれ空間で楽しんでいるようです。
注文シートにチェックを入れ、先に会計を済ませます。
ここの人気メニューは、鉄板で香ばしく焼いた蛋餅。オーソドックスなハムやチーズもあるけれど、クラブハウスサンドを意味する「總匯(65元)」にしてみました。
中にはスライスしたキュウリと玉ねぎ、バーベキューチキン。ソースがほんのりスパイシーなので、「無糖豆漿(25元)」のやわらかい味がとても良く調和します。
この日の台北は冬の暖かな1日。外にひとつだけある二人掛けのテーブルに陣取り、民生エリアの緑を眺めながらゆっくり朝食タイムです。
メニューはサンドイッチやバーガー類、炒麵など幅広く揃っています。台湾では朝食からしっかり重め、肉やご飯は重すぎる……とおびえる方には、ピーナツバターの厚切りトースト「花生厚片(45元)」とコーヒー(45元)という組み合わせはいかが?他に、バター(奶油)やイチゴジャム(草苺)、チョコレートソース(巧克力)などのフレーバーも選べます。喫茶店のモーニング風のボリューム、これなら、普段朝食を食べない方でも食べられそう。カウンターには作り置きのサンドイッチもあるので、眼で見て選ぶのも良いですね。台湾肉デンブ「肉鬚」、レタスやとまと、りんごスライスのサンドイッチは30元でした。
店を切り盛りするのは、朝から元気はつらつなお姉様たち。
「日本って朝食専門店がないのよね。東京に行った時、困っちゃったわよ!」
「台湾はいいでしょう?安くて美味しい朝ごはんが食べられるんだから!」
からっと元気にグイグイとアピールされたので、
「はい、おっしゃる通りです」
と抵抗せず受けいれました。シンプルで可愛いカフェ風のイートインや、入口に置かれた綺麗な手洗いコーナーは心遣いもきめ細やかだったから。
アクセスに公共の交通機関を使う場合は、バス「307」番を利用すると便利です。台北で一番本数が多いと言われる路線は、「西門」駅、「台北」駅や林森北路、南京西路、「台北アリーナ」を経由します。「民生國中」のバス停で降りると、お店は眼の前。帰りは「撫遠街」を渡った反対側から乗って台北駅方面へ戻るもよし、富錦街方面か、基隆河沿いの公園へ出て散歩もよし。朝食からの街歩きで、民生エリアのロコ気分を満喫しましょう。
<基本データ>所在地:台北市松山區撫遠街211巷1號
(バス307番「民生國中」駅下車すぐ)
営業時間:平日6:00~13:00、祝日7:00~13:00 (不定休)
<コーディネーターのちょっとひと言>ローカル色満点のキッチンカウンターと、可愛いイートインコーナーのギャップにちょっと面喰いましたが、手入れが行き届いて気持ちの良い空間で美味しい台湾の朝食がゆっくり食べられる、穴場だと思います。民生社區は台北在住者にとって、カフェや食事、散歩にも人気のエリアです。少し地下鉄駅から遠いのも、落ち着いた時間を楽しめる理由に。二度目以降の台北旅行をゆっくり楽しみたい方に
(担当特派員:TOP33号)
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