
スープ入りマカロニとトースト、卵料理、ミルクティ。典型的な香港スタイル朝食セットメニューです
「茶餐廳で朝ご飯を食べたい」
台北から香港へ出張している友人から、LINEが来ました。
茶餐廳(チャーチャンテン)は、香港のローカルフードを出す食堂スタイルのカフェ。朝から晩まで、様々なセットメニューやアラカルト、飲み物やパンを用意しています。
彼の居場所から、私が時々行くお店をいくつかピックアップして伝えると、数分後には店内からの画像が。
「周りの香港人が食べてるものが気になる」
隠し撮り風の画像に映っていたのは、スープ入りのマカロニ。
「美味しそう」
台湾のあちこちで朝食を食べ歩いている友人がとても興味を持った様子なので
「試してみれば?私は絶対食べないけど」
「なんでやねん」
「美味しくないんだもん」
お店にもよるけれど、スープが薄い、塩味ばかり強い、マカロニが柔らかすぎることが多いのです。

この店では「朝食セット」7時から12時まで、バターつき食パン、目玉焼きふたつ、ハム入りスープマカロニ、コーヒーか紅茶で38ドル(約570円)。昼から夜までのセット、終日提供するセットメニューも。
香港のローカル食堂での朝食は「トーストか薄いサンドイッチ」「コンソメ風スープ入りのマカロニ、インスタントラーメンもしくはビーフン」「目玉焼きかオムレツなどの卵料理」「飲み物」のセットが定番です。
周りを見てもスープ入りで人気なのは「マカロニ」か「インスタントラーメン」。ラーメンは袋から出して平皿に入れ水を注ぎレンジで温め、テーブルに。簡単な手順にするとラーメンはほぐされず「姿のまま」の状態で提供されるので、不安になるかもしれません。フカヒレの姿煮があれば、ラーメンも「姿」なのが香港スタイル。ほぐして食べましょう。

ビーフンはちゃんとほぐして出てきます。
スープビーフンにザーサイと細切り肉を乗せた「搾菜肉絲湯米」。これはあまり外れがありません。薄いサンドイッチと薄いオムレツ、ハムかランチョンミート、ミルクティで結構なボリューム(油分と塩分)になるので、朝昼兼の食事にどうぞ。
台湾では朝食専門店が街中いたるところにあって、早朝から昼前後までのみ営業するお店も少なくありません。
香港でも、朝食を外で食べるのはごく普通のこと。旅行者やロケのクルーから「朝食にお粥を食べたい!」「朝は飲茶ですか?」というリクエスト、とても多いです。

お粥とともに、広東風焼きそば「豉油皇炒麵」も。日本人好みの味です。
台湾と違う点は、香港では屋台を覗いて「朝食専門店」がほとんど無いこと。家賃の高い香港、昼も夜も出来るだけ長い時間営業して「オールデイダイニング」状態にしなければ、商売にならないんですね。
件の友人は結局好奇心を抑えきれずスープ入りのマカロニを試してみたそうで
「うまかったよ!」
と報告がありました。美味しいものにあたったのかな。良かった。

朝から点心。「心の底から楽しい、美味しい」と喜ばれて、「そんなに?」と戸惑いました。
点心と香港式ミルクティ、いろんなものを組み合わせて朝食が食べられるのも、香港の面白いところ。

「あれも食べたい、これも食べたい!」みんなの希望を、短期間で一気にかなえることが出来る。慌ただしさの中で合理的に生き抜く、香港ならではのフレキシブルなパワーですね。
<コーディネーターのちょっとひと言>香港ロケ、街歩きや風景の中のほか、ローカル色の強い食堂で朝食をとりながらの撮影もおすすめです。香港ならではの空気の中、リラックスした楽しげな表情の写真が撮れますよ。
(担当特派員:TOP33号)
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