MRT「龍山寺」の駅ナカ茶藝館「柳隅茶舎」。駅構内の地下街は占いやマッサージのブースが有名ですが、そのエリアの角に約40坪の広々としたシックな空間が広がっていました。
こちらのオーナーGINさんはカナダ・モントリオール育ち。中国語、台湾語に英語はもちろん、フランス語や広東語、スペイン語も堪能です。
茶芸館のあるこの場所は、もともとGINさんのお母さんがカラオケを楽しめるお店を営んでいたのだそう。2014年に茶藝館として再出発する時、「お母さんの時代からの地元の常連、龍山寺を訪れる外国人観光客、どちらも気軽に台湾茶を楽しめるアプローチを考えました」とGINさんはいいます。
たとえば、店内で飲む台湾茶。台湾人は「シェア」の文化に慣れているものの、欧米人や日本人は「ひとり1セット」を好むので、シンプルな小さなお茶のセットで提供しています。GINさんによると「日本の方はもちろんですが、フランス人も台湾茶をゆっくり楽しむ時間を好んでいます」とのこと。お値段も160元からととても手頃。「台湾茶は生活の一部。値段や作法で敬遠せず、気楽に楽しむのが一番」というGINさんの考えが反映されています。気軽で手ごろ、台湾茶もカフェ感覚で立ち寄って飲むことができますね。
一煎目はGINさんがテーブルで淹れてくれます。7か国語が堪能でとってもきさくなGINさん、「日本のドラマが大好きなので聴く分には理解できるけど、話すのは難しいですね。でも、気軽に質問してください。わからなかったらGoogle翻訳もあるし」と笑っていました。お茶の淹れ方はGINさんのやり方を見様見真似でOK。この茶藝館の願いでもあるように、気軽に自分のペースで台湾茶を楽しみましょう。
茶葉は台湾産のもの。契約農家のお茶マスターが手作業でもみ、じっくり時間をかけて発酵させた「紅烏龍(280元)」をおすすめされました。ふくよかな緑の香りがして、口当たりは濃厚でありながら渋みも少なく、さっぱりとしたのど越しです。日本の方に人気がある「東方美人」も、280元~楽しむことができます。美しいメニューもぜひゆっくり堪能して!
お向かいには占いのブースが並んでいます。小さく区切られたスペースは大勢入れないので、グループで来た方はここでお茶を飲みながら、順番に占いに行くのだとか。日本語可の先生もいるし、ひとに聴かれたくないこともある。グループ旅行で占いをする時は、ここでお茶を飲みながら待機すれば心も落ち着きそうです。店内は10卓のテーブルがゆとりをもって配置されているので、社交的距離もちょうど良い感じです。
店名にある「柳」は、お母さんの名字からもらったのだそう。GINさんの名字は「藍」で「文字の印象が四角く、お茶のゆったりした雰囲気に合わないと思いました。柳なら、揺れる感じがお茶を飲む空間にふさわしいと思い、母の名字から拝借したんですよ」とのこと。
お茶のパックも1両(約38g)からと、サイズも価格も手が届きやすい設定に工夫されていました。台湾では「大きいことは良いことだ」精神が根強く、お土産や贈りものは大袋、大箱になりがちですが、これならプチギフトやご自宅用、お試し用にも求めやすいですね。「仕事やお酒を飲んだ後にリラックスできる烏龍茶が欲しいです」と尋ねたところ、「<四季春>ではちょっと子供っぽいかな、<金宣>はミルキーだから、大人のティータイムには<翠玉烏龍茶 (180元)>がいいかな」とGINさんが選んでくれました。
お土産に面白そうなのは、店内でも使われているひょうたんの茶こし(150元)。軽くて手頃、のどかな雰囲気なのも可愛らしいでしょう。茶こしを持っていない人も多いかもしれないので、喜ばれそうです。急須を置いて水はけができる小さな丸い台は800元でした。
パワースポットのお寺や下町散策、グルメも楽しい龍山寺の賑わいに突かれた時や、台湾特有の急な雨、真夏の日差しの日も、「柳隅茶舎」は避難や癒しに駆け込める駅ナカ・オアシスになりそうです。
<基本データ>住所:台北市萬華區西園路一段145號 龍山寺地下街商場地下一樓10號
(MRT「龍山寺」駅構内)
電話番号:02-2308-9743
営業時間: 11:00〜21:30 金・土 ~22:00 無休
<コーディネーターのちょっとひと言>茶藝館は駅から少し歩く場所にひっそりと隠れているイメージが強いので、堂々と駅ナカでこれだけのスペース、お手頃値段で美味しい台湾茶が楽しめるのは驚きでした。占いの順番待ちや、ちょっとしたグループ旅行の利用も良さそうですね。今までは龍山寺の猥雑さにあたってぐったり、逃げるように帰ることが多かったけど、これからは「柳隅茶舎」でのんびりリセットを楽しみたいです。
(担当特派員:TOP33号)
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