「酸っぱいお鍋を食べてみたいの」
初々しいリクエストをくれたのは、台湾に来て2年目の日本人女性でした。彼女と同じように日本から来た女性たちの「あれ喰った」「これ買った」と素敵お披露目オンパレードのSNSを見て「行ってみたいな」と話すと「あら、まだ食べたことないの?」とちょっと小バカにされた言われようで、寂しかったのだそう。
「長白でしょ?」「美味しいよね」「あの店なら何度でも食べに行くよ」「行こうや」
と話はあっさりまとまり、久しぶりに繰り出してきました「長白小館」。
「いまさらここ紹介するの?」とリピーターや在住者の皆さんは鼻で笑うかもしれないけど、誰もが最初は一年生。久しぶりと懐かしい人もいるだろうし、よかったら一緒におさらいしてね。

今年の台北の春は気温差が大きく、夏日であっつい!と半袖を着た翌日には大雨の肌寒さに震えるアップダウンがきつかった。こんな天気の時には温かいお鍋で身体を守らないといけません。
台湾で「火鍋」というと、辛いスープと白湯の2色に分かれた鴛鴦鍋を思い浮かべる方も多いことでしょう。こちらのお鍋は黒竜江省式の「酸菜白肉鍋」で、辛い要素はありません。発酵させた酸っぱいキャベツをたっぷり、豚肉やカニ、シイタケのスープで食べるので、辛い物が苦手な方にも優しいお鍋です。


メニューは日本語あり、オーダーの方法もとてもシンプル。二人以下1080元、3~4人1680元、5~7人2400元、8~10人2600元と、人数によってお鍋のサイズを選んだら、肉の種類、サイドディッシュを頼むだけ。言葉やしきたりのハードルやトラップは心配無用です。
酸っぱいキャベツといっても、頬がきゅんと引っ込んで震えるほどではない爽やかな程度なので、「辛いのも酸っぱいのも苦手なんですう」というわがままさんでも大丈夫!多分!万が一ダメだったら、サイドメニューのニラのおやき「韮菜盒」(2個50元)でも食べててね。香ばしく焼いた皮からこぼれ落ちるほどこれでもかと詰まったニラとたまご粉絲(はるさめ)いりで、これもとっても美味しいよ。ビールが飲めたら最高だけど、お茶やアップルサイダーでも十分美味しくいただけます。
箸休めに「肉絲拉皮」140元。豚肉ときゅうりの細切りを、太めのぷるんとした春雨「緑豆粉皮」とあえたもの。これとビールもあったら、きっと幸せな一日の終わりになると思う。お店おすすめの「肉末四季豆」50元は、記事上部の画像にある「いんげんの肉あんかけ」。大人も子供も大好き、素朴なあまさと青みです。
ベースのスープには豚肉、その他に豚、牛、羊の3種類から追加のお肉を選べます。付けダレのペース配分は日本語の説明あり。その通りに作っても良いのだけれど、お店の人が作ってくれるとびっくりするほど美味しいのね。手が空いている時にはすがってお願いしていますが、皆さん忙しいからだいたい自作。私は香菜(パクチー)とピーナツ、酢、醤油くらいのシンプルな付けダレにしています。ニンニクや唐辛子もお好みで。
お店は地元の人たちでいっぱい。でも、これまで混ざっていた日本語や英語や広東語などの多言語は聴こえてこず、お店の前のベンチでガイドブックを覗き込みながら順番を待つ観光客の姿もなく……。今は仕方がない、でも、味は変わらない。外観も、内観も、お店の人たちも変わりません。この味が忘れられないリピーターの方は「ただいま」というために、酸っぱいお鍋は未体験の方は「はじめまして」のワクワクのために、「長白小館」を改めてブックマークをしてください。
<基本データ>住所:台北市大安區光復南路240巷53號
(MRT「國父紀念館」駅徒歩5分)
営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00 月休(8月一か月も例年お休みです)
<コーディネーターのちょっとひと言>味が安定していて、メニューがシンプル。だから安心して食べに行き、長居せずにさっと帰るのが長白小館の楽しみ方です。周辺に食後のお酒やお茶のお店も多いので、東區の夜はゆっくり楽しめますよ。
(担当特派員:TOP33号)
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From1号→実際に33号が食べに行ったのは警戒レベル三級となる、はるか前なので現在は店内でのお食事は出来ません。が、Googleさんは営業中となっています。この鍋をテイクアウトのみで営業しているのだとしたらかなりの根性かと。加油!